ステンメッシュのブレーキホースに交換してもブレーキの効きが良くなる訳ではありません。
ですが交換して効きが良くなったと感じている方が多いのも事実です。これは何故なのでしょうか。

市販車のブレーキホースはコストやサスペンションへの追従性を優先し、ゴム製のホースが採用されるのが一般的です。しかし、ゴム製のホースは加圧時の膨張が大きく、マスターシリンダーで発生した圧力を100％キャリパーへ伝えることが出来ません。
特にブレーキを繰り返し温度が高くなるとホースの膨張は更に大きくなってしまいます。
つまりステンメッシュホースの方が膨らみが少なく、ペダルストロークが短いので良く効くように感じるのです。ブレーキを踏み込んでいくとカチッとした感じになります。コーナーの手前でブレーキング遅らせて、ロック寸前でコントロールするスポーツ走行には必需品となっています。

それでは普通に運転する人には不要と思われてしまいますが、通常走行でも十分違いが体感できます。特にミニバン・ＳＵＶ・ＲＶ車はブレーキホースが長いので違いを体感し易いと言えます。ブレーキに負担が掛かる状況（高速や下り坂、乗員や荷物、インチアップでの重量増加）では更に効果的です。また、ＡＢＳやブレーキアシストといった安全装置の機能を十分に発揮させることが出来るので、緊急時の安全性も向上します。

ブレーキの効きを向上させるには、摩擦係数の大きいブレーキパットを使用するのが効果的です。しかし同時にブレーキの鳴き、ダストの増加、パットの寿命、ローターへの攻撃性など、欠点も覚悟しなければなりません。ブレーキホースはそういったデメリットが無いのも特徴です。ブレーキに不安を感じる方は先ず、ブレーキホースを交換してみて下さい。改造申請も必要ありません。